加賀袱紗 kagahukusa
金沢では結婚をする際、親せきやご近所へご挨拶として、赤飯と五色饅頭を輪島塗のお重に入れて配る風習があります。
お重を座布団(写真左上)に乗せ、その上に美しいつづれ織りの袱紗(中央)を置き、ちりめんの中包み(左下)、汚れないようにさらに家紋の入った風呂敷(右下)で包みました。
※image
これは花嫁自信が持っていくものではなく、ご親戚の方が配りに回ります。
頂いた家では、美しい袱紗を拝見し花嫁の幸せを願い、お重の中のお赤飯と五色饅頭を取り出し、代わりにポチ袋に少々のお返しを包み、お使いの人に返します。
今は紙箱入りのお祝い菓子もあるため、現在では使用されなくなってきましたが、金沢では古くからお祝い事があるとに菓子を配る習慣や、近しい方々のつながりを重視しますので、このような風習ができたのでしょうね。
つづれ織りのおめでたい模様。寿の文字と鶴に松竹梅
四隅の房は亀のモチーフに
これは元の袱紗の四分の一に小さくなって簡易的になったもの。折りたたまずに重箱の上に乗せます。
三々九度の盃
金沢のみの風習ではないですが、神前式の儀式である三々九度。
大中小の盃を使用し、お酒を酌み交わす儀式です。
それぞれ 【過去・現在・未来】を意味しています。
・過去:小:ご先祖に向けた新郎新婦の巡り合わせの感謝の意味
・現在:中:二人で末永く、力を合わせて生きていく意味
・未来:大:ご両家の安泰と子孫繁栄の意味
また、一つの盃を三回に分けてお酒を飲みますが、
一口目は神へ、二口目は家族へ、三口目はゲストへの感謝と誓いが込められているそうです。
「三つの杯を使って、三回注ぎ、三回飲み、新郎新婦合わせて合計九回のお神酒を飲む」
このことから、三々九度と呼ばれています。